今回はグレーへリンボーンスーツご注文頂きました。
直訳するとニシンの骨。綾織が魚の骨のように見える柄です。
スーツの定番柄ではありますが、毎年多くの受注があるほど人気の柄でもあります。
今回はイタリアのCANONICO社の生地で仕立てました。
程よい光沢感があり、重量感のある落ち着いた雰囲気に仕上がりました。
色やピッチの太さによって雰囲気も変わりますので、おすすめしたい柄になります。
本宮店 高橋
今回ご紹介する一着は、一見したところ何の変哲もない三つ揃いですが、原毛にストーリー性のあるとても面白い生地を使っております。
エスコリアルウール。小さな体格と縮れ毛が特徴のミニチュアシープで、カシミア以上の希少性を誇る素材です。
その由来を辿ると原産は北アフリカ、それが14世紀、イスラーム勢力のスペイン侵攻に伴いイベリア半島に持ち込まれた物のようです。
イスラームのスペイン撤退により取り残されたこの羊はその後スペイン王室の所有となり、
マドリッド近郊エスコリアル宮殿に集められ、最高級の服地として珍重されました。
その後絶滅したと思われていた彼らですが、様々な経緯を経てその子孫はEscorial Company Ltdの管理下に収まり、
廻り巡って弊社のお客様のお手元に届くことになりました。(丁寧にご説明したいのですがとてもBlogには収まりません…)
仕上がったスーツは極細番手らしいしっとりとした光沢をもちながら、原毛の特性によりナチュラルなストレッチ性があります。
来歴にせよ価格にせよ趣味性の高い生地ではありますが、それを誇る様子もなく衒いの無い仕上がりです。
あからさまな虚飾を廃した、着る人だけが分かればいいというそんな価値観が詰まった一着なのではないかと考えます。
贅を尽くすという言葉について考えさせられる、そんな生地でありました。
恵比寿店 須藤
伊CANONICO社のフランネルスーツです。
360gの紡毛タイプ。比較的軽量なフランネルではございますが、季節感のある装いにうってつけな生地です。
ごく中庸な色柄からグリーン・赤等風変わりな物まで豊富な取り揃えがございますので、
スラックスやベスト単品でのご注文も沢山いただいております。
併せたベストは国産、ヘリテイジフランネルと銘打たれたシリーズを用いました。
CANONICOに比べてウェイトがあり、ラインナップは無地のみでムラ感の少ない真面目顔。
国内の某社往年の名作に起源を遡ることができる生地です。
各社各様の特色を打ち出した起毛生地をじっくり比較してみるのも一興ではないでしょうか。
恵比寿店 須藤
パターンオーダースーツはお客さまの体型に合わせてお作りし、表生地のご指定以外に、裏地・袖裏・釦・ハンドステッチなどのオプションをご指定頂けます。
価格表示についてはすべて消費税抜き価格になります。
使用した画像については、ご利用環境によって実際の生地色と異なって見える場合があります。
なお内容につきましては予告なく変更させていただく場合もございますので、あらかじめご了承下さい。
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